インテリアデザイン1分チェック! TOPPAGE>個別エントリーページ

インテリアデザイン1分チェック!トップページバナー

インテリアとデザイン

スポンサードリンク

#008 「和」のモデュロール「尺貫法」/インテリアデザイン

「和」のモデュロール-尺貫法

尺貫法には住み手の暮らしに対する、町大工さんたちの心配りが息づいています。

【ケンイチ】
ひゃー。疲れたっスよー。

【マスター】
お、ケンイチ君。どうしたの?

【ケンイチ】
いやー、いまアルバイトで内装工事の手伝いにいってるんスけどね。

【マスター】
そうか、ケンイチ君は学校でインテリアデザインを専攻してるんだったね。良かったじゃない。ぴったりのアルバイトが見つかって。

確かに、若いとはいえ、ハードな仕事だからねー。

【ケンイチ】
いや、カラダ動かすのは全然オッケーなんスけどね。コトバが、、、。

【マスター】
コトバ?もしかして外国の人と仕事してるの?

【ケンイチ】
いえいえ、反対ス。和風の飲食店で数寄屋造り。オーナーも、年配の方で、お茶もたしなまれる、こだわりをもった方で、棟梁も昔気質のオヤジさんなんスよ。

【マスター】
へえ。でもいいチャンスじゃない!で、なんでコトバが問題なの?

【ケンイチ】
いやあ、現場で使われる寸法が「」とか「」とか、何もかも昔の寸法で進むんスよ。間違っちゃいけないと、その度聞き返して。で、あまりに聞き返すもんで親方怒りだしちゃって、、、。

【マスター】
そうかー。今学校では「尺貫法」では教わらないよね。

【ケンイチ】
そうなんスよ。ピクセルとかポイントとかは得意なんスけどね。

【マスター】
それまた極端だねー(笑)。ケンイチ君は「モデュロール」って知ってるかな?

【ケンイチ】
もちろんスよ。いちおう、インテリア科スよ。建築家ル・コルビュジエの造語*で、成人男子の“理想の身長”は182.9cm住宅の基本寸法は2.26mという極めて具体的な数値を算出して、「ルネサンス以後初めての建築のプロポーション・システム」としたってやつでしょ。

【マスター】
そうそう、「尺貫法」もいわば日本のモデュロールで、もとは身体の寸法から算出されているんだよ。

「尺」 (30.3cm)は、もとは前腕(ぜんわん/ひじから手首まで)を基準に作られた長さだしね。「寸」はその10分の1、約3.2センチだね。

【ケンイチ】
お、ということは「一寸法師」は3センチかー。うん、確かにちっちぇえなー。*

【マスター】
ベニヤ板などの板材の大きさを表すのに「3×6版(さぶろくばん)「4×8版(よんぱちばん、しはちばん)」*は、今でも現場じゃ当たり前に使われているよ。
什器もほとんど「○○尺」だしね。

それに、たとえば「軒と庇は半間(約90cm)縁側は3尺5寸から4尺(約105〜120cm)の幅」っていわれているけど、この寸法ににすると、雨の日でも雨が吹き込まず、涼しい風が入り、冬も座敷に日差しが入るからという、
大工さんたちの長年の経験に基づく寸法であって、住み手の暮らしに対する、町大工さんたちの心配りともいえるよね。

【ケンイチ】
リョーカイっス。ここはいっちょ棟梁の心意気ってやつを学ぶ為にも「尺貫法」に挑戦してみます!

そのまえに、一寸(ちょっと)一服。

【マスター】
ウマい!

◆今日のデザイン1分チェック!『「和」のモデュロール-尺貫法』

■「和」のモデュロール「尺貫法」ー調和のレイアウトで心地よいお店づくり。

*「Module」(モジュール=寸法)と「Section d'or」(セクション・ドール(仏)=黄金分割)を結びつけた造語

*「一寸」は約3センチですが「小さいもの」の総称として呼ばれる事も多かったようです。

*「3×6版(さぶろくばん)」「4×8版(よんぱちばん、しはちばん)」

前者は3尺×6尺(= 90.9cm×181.8cm)、後者は4尺×8尺(= 121.2cm×242.4cm)の大きさの板材を指すことが多い。

尺貫法ーインテリアデザイン用語集

Copyright MDRK