インテリアとデザイン
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#011 『ダーリンは外国人』のお母さんと階段/インテリアデザイン
公共施設の階段をナナメに昇る
階段を斜めに上る人がいるのはなぜか?インテリアデザインの視点から。階段を考察します。
【ケンイチ】
わははー、これおもしれー。ねえ、マスターこれこれ、ウチのオカンもコレやるんスよ。階段をナナメに昇るってやつ。
【マスター】
『ダーリンは外国人』*面白いよねー。でも、そこの所。意外と大事なところかも。
【ケンイチ】
ええー。ナナメに昇ることがスか?
【マスター】
うん。階段の踏面(ふみづら)と蹴上げ(けあげ)の寸法はなんだっけ?(注:踏面(ふみづら)=階段の上面、足を置くところ。蹴上げ(けあげ)=階段 1段の高さ)
【ケンイチ】
えーと、たしか、、、。映画館等の施設や物販だと蹴上げが18cm以内で踏面が 26cm以上ス。*
【マスター】
そうそう。でも住宅の規定は幅 75cm以上、蹴上げ23cm以下、踏面15 cm以上*だよね。
限られたスペースをなるべく居住部分にとりたいからどうしても蹴上げ部分は高く、踏面部分は狭くなるよね。すると、住居の階段と、施設の階段とは最大で 5cmもの差ができてしまうんだ。
【ケンイチ】
5cmも !?
【マスター】
うん。だから、おかあさんは正面を向いて昇ろうとすると、踏面と蹴上げの境が見にくくて、無意識的につまづかないように、必要以上に高く足をあげている可能性があるよ。だから疲れちゃうんだね。
【ケンイチ】
なるほど!ナナメに昇ると、踏面と蹴上げの境が見やすくなって必要以上に足を上げなくていいということスね!
でも、最近蹴上げのトコロに広告してるのを駅なんかで見るんスけど。
【マスター】
広告自体はわるくないよ。だけど、時折グラフィック重視のあまり、踏面と蹴上げの境が見づらくなっている広告をみかけるよね。
【ケンイチ】
最もバリアを無くさにゃならんとこに、わざわざ後付けでバリアしてるんスね。うーん、笑ってられないスねー。
◆今日のデザイン1分チェック! 『ダーリンは外国人』のお母さんと階段 ■売り上げアーーーップ!ではないけれど、広告媒体としての「階段」は機能面に注意。 階段の踏面(ふみづら)と蹴上げ(けあげ)はインテリアコーディネートの試験にもよく出題されます。 *『ダーリンは外国人』階段のハナシは 第2巻。笑えます。 *踏面(ふみづら)と蹴上げ(けあげ)の寸法。 出典: 『ダーリンは外国人2』小栗左多里 |